BtoBセールス&マーケティングサミット パネルディスカッションレポート
2015年12月8日(火)ITproマーケティング主催のBtoBセールス&マーケティングサミット冬in TOKYOにて、弊社代表の上島がパネルディスカッション「マーケティング組織のあり方と部門間連携の進め方」のモデレータとして登壇しました。
昨今、デジタルマーケティングを推進していく中で各企業が直面しているのは、「部門や組織の壁」ではないでしょうか。商品・サービス、事業部やグループ企業などサイロ化した組織、マーケティング施策や機能単位に分かれている縦割り組織をどのように最適化し、ミッションを遂行していくのか。
今回のパネルは、この課題にこれまで取り組んできた、または今まさに取り組んでいる3社が集まり、公開ギリギリの範囲でディスカッションを行いました。全体の来場者数は400名を大幅に超え、熱心に耳を傾ける方、メモを取られる方など、今回のサミットの中で最も注目を浴びたテーマだったのではないでしょうか。
登壇者
パネリスト
GEヘルスケアジャパン株式会社
ライフサイエンス Global Digital/Web Marketing Leader 飯室 淳史 氏
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
コミュニケーション本部 デジタルマーケティングセンター センター所長 平林 泰直 氏
日本IBM株式会社
マーケティング&コミュニケーション コミュニケーション&ブランドエクスペリエンス 本部長 山口 有希子 氏
モデレータ
株式会社Nexal
代表取締役 上島 千鶴
ディスカッション
ディスカッションの構成は、大きく以下の2つのテーマに分かれ、事前に質問を用意しました。
来場者が聞きたい内容をより深くディスカッションするために、まず来場者全員の拍手の大きさで興味度を伺いました。拍手の大きさから、会場の興味は社内の課題よりも、マーケティング機能(ミッション)の範囲、あるべき運用体制や参考になる体験談に集まりました。
テーマ1:BtoB企業にとってマーケティング組織(機能)はどうあるべきか
- 今まで、社内にどのような課題がありましたか?
- マーケティング機能(役割・責任範囲)はどこまでとお考えですか?
- あるべき運用体制(機能拡充など)に向けて、どのように取り組まれましたか?
テーマ2:各部門との連携・社内調整にて気を付ける点とは
- 社内の各部門と連携するために具体的に行っていることは何でしょうか?
- ご自身の経験から失敗談(参考になる体験談)はございますか?
パネリストからのアドバイス
最後に、パネリストからご来場企業さまへのアドバイスをいただきました。
「カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)」 山口様、「顧客主語」 平林様
顧客体験、顧客主語とは、お客さまが商品やサービスを購入する目的、お客さまが実現したいゴールをきちんと把握した上で、企業がそこにどう貢献(行動)できるかが大切である。そして組織というものは、そこに最適化していくべきというアドバイスをいただきました。
「異床同夢」 飯室様
また、四字熟語に「同床異夢」(同じ仕事や、同じ立場にあっても、人はそれぞれ考え方が違うということの例え)がありますが、「異床同夢」とはその逆で、異なる立場や部門であっても、それぞれが同じゴールを持つということを意味する。今回のトピックである組織(機能)というものは、企業の夢(ゴール)を最適化する手段や方法でしかなく、異なる立場や部門であっても、それぞれがきちんと同じゴールへ向かっていることが大事であるというアドバイスをいただきました。
モデレータ上島から
パネルディスカッションのテーマ、「マーケティング組織のあり方と部門間連携の進め方」のモデレータを引き受けて欲しい、と主催者から連絡を受けた際に悩んだ点は、『パネルに参加して頂けるBtoB企業がいるのだろうか?』という点でした。
--- 直近2年以内にマーケティング組織を大小関わらず改編され、マーケティング改革に段階的に取り組み、組織間連携を積極的に実施されている企業 ---
かつ、旧来型のマーケティング慣習の良し悪しを熟知されている方、、、と考えた際に十数社の企業(人)が頭に浮かび、主催企業を通じてオファーをさせて頂きました。
BtoCモデルの企業と違い、BtoB企業はマーケティング自体が遅れていると言われがちですが、地道に改革を進め、成果を出している優れた(隠れた)企業は、多く存在します。ただ、マーケティング=経営戦略と位置付けている企業ほど、なかなか表には出て来られないというのが実態です。そのような背景がある中で、今回、難しいテーマに関わらずパネル参加にご快諾いただいた、GEヘルスケアジャパンの飯室様、キヤノンマーケティングジャパンの平林様、日本IBMの山口様には、心より御礼申し上げます。
1時間では伝えきれない部分もあったかと思いますが、今回のディスカッションは非常に盛り上がり、モデレータとしてもいろいろ考えるきっかけになりました。
実はパネルディスカッションの本番が始まる前だけでなく、終わった後の控え室でも、途切れることなく議論が交わされていたのです。気持ち的には、隠しマイクで会場に中継したいほどの濃い内容です。。
今、メディアに出てくるマーケティングの事例の多くはBtoCの企業がほとんどで、BtoBの事例は『個々の施策の枝葉』に過ぎません。BtoB企業のこれからのマーケティングについて、戦略・組織・機能・連携・仕組みなどどのように進めていくべきか、もっとたくさんの方がオープンに議論できる環境(場)作りが必要なのではないか?、と考えています。
--- CMOがいない中でどうするのか?など浮ついた話ではなく、日々動いている現場の中で、3年・5年・10年先を見据え、どのように改革を進めて行けばよいのか、という現実的・建設的な議論を活発化させたい ---
■ 先進的に取り組んでいる企業、現在取り組み中の企業、これから検討を進める企業、それぞれが議論し合い互いの知見を共有できる場 ---
■ 海外からの輸入概念を真似るのではなく、今まで長年培ってきた足元のビジネス現場で、どのようにデジタルを活用するのが最適解か示唆を得られる場 ---
そのような環境作りに、Nexalとして微力ですが取り組みたいと思います。
来場者情報
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